2016年02月17日

マイナス金利で景気が良くなる?

マイナス金利で景気が良くなる?

15日月曜日のNHK『ニュースウォッチ9』。暴落した株価が一転上がった!と喜色満面のキャスターの隣で、わざわざ解説委員が『日銀のマイナス金利』を解説。いわく・・・・・・・。

「マイナス金利が『住宅ローン』と『設備投資』に連動し、住宅を購入しやすくなり、企業も設備投資しやすくなって、景気が上向きになる」云々

さて、NHKらしい政権の望む通りの結論ありきの解説−と言えばそれまでだが、何ともお粗末で頓珍漢なおしゃべりなことよ。
未来想像図とはいえ、「まあ、絶対そうはなりまへんで!」と確信をもって言えるだろう。2つの点から。
1.「住宅ローンの金利が安くなったって!? そら、マイホームを買おうや!」という人が、景気を押し上げるほどいると思っているのか?
 バカバカしい。さすがに「平均年収1000万円超」のムダな高給取りNHKさん(原資は国民からむしり取った受信料)。庶民の生活などまるでご存じない。
●「春物スーツ半額!モノによっては7割引き!」なら、「スーツもすっかりくたびれたし、この際2着買おう!」という人は、結構いるだろう。
●「新幹線は全部半額!」なら、「家族旅行もずいぶん行ってないし、思い切って行ってみよか」という人もかなりいるだろう。
 マイホームを買うかどうかは、「買えるだけの資産(収入)があるかどうか」が最大の問題。ローンの金利で判断する人は、既に購入を半ば以上決めている人だ。最後の最後どうしようかと迷っている人の背中を押す効果は確かにあるだろうが、ただそれだけのこと。勤労者の実質賃金が年々低下し、公共に支払うどんどん増えて可処分所得がそれ以上に低下している昨今、『ローン金利が安くなったから、家を買おう!』という人は、NHK職員にはたくさんいるのかもしれないが、庶民にはそれほど存在しない。
 企業の設備投資も同じ。いくら政府とマスコミが「景気がいい」と大宣伝していても、企業はそうは思っていない。だから設備投資が極めて鈍い。多額の資金を投入する設備投資は、元が取れるかどうかを厳しく判断する。新しい機械を入れました、工場を拡張しました、作ったモノは売れません―では、倒産してしまうではないか!

2.銀行が、金利が安くなった住宅ローンや企業向けの融資を増やす―これは全くのデタラメ。NHKのデマと言ってもいい。
 銀行は慈善事業ですか? 金利が極端に安いということは、銀行にとってみればそれだけ実入りが少ないということ。利益率が超悪い商品の販売に精を出す―現実に起こるはずもない。銀行はもっと利益率の高い商品に、人も金も宣伝も注ぎ込むだろう。景気がすごく良いなら、薄利であっても多売で儲けられる。次々に住宅ローを組む人や設備投資が盛んで他行との顧客の取り合いになっている状況なら、「うちの方が金利が低いですよ」とかなりの営業をかけるだろう。そんな状況になるとNHKは本気で思っているのか?
 結局、こうなる。庶民は、マイナス金利のシワ寄せでただでさえ安い利息をまた減らされ、預貯金がどんどん目減りする。住宅購入など、テレビの中の世界だ。中小企業は、もともと「晴れた日に傘を貸し、雨は降ると取り上げる」えげつない大銀行から融資など回ってこない。中小零細企業は、大企業のように優遇税制もない。それどころか大企業の下請け叩きで、減価ギリギリもしくは原価割れでさえ働かされる。NHKにとってはわずかばかりのお金がないばかりに不渡りを出す。大銀行は、庶民に支払うべき利息を吸い上げ(そのうち、口座設置手数料などと言って、銀行口座を持っているだけで金を盗るだろう)、中小零細企業には融資などせず、かといって大企業も設備投資せず、銀行はだぶついたお金で金融商品を買い漁り、優良地銀や信金を我が物とするだろう。大銀行に買われた地銀や信金は、地元の小さな企業にお金など貸さない。
 庶民にとってみれば、踏んだり蹴ったり。それが、マイナス金利だ。
posted by isseisha at 21:43| 日記